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自己破産は戸籍や住民票に記載?非公開の破産者名簿の意味を正しく知ろう


自己破産を申し立てるときに、近隣の人に知られたり、小学生の子供がいたり、会社に知られたりするものか気になりますよね。自己破産を申し立てると何らかの記録が残るものなのでしょうか?

自己破産の申し立てをしても戸籍や住民票には掲載されない

自己破産の申立をしても戸籍や住民票に記載されることはありません。但し、破産手続開始決定があると申立人の本籍地の市町村村役場の「破産者名簿」には記載されることがあります。 この破産者名簿は第三者が勝手に閲覧できるものではありません。 破産者が免責決定を受けると「破産者名簿」から抹消されます。平成17年1月1日から施行されている新破産法では、破産名簿に乗る自己破産者については次のような例外を除いて各市町村役場へ通知されないために載ることが無くなりました。

・免責申し立てが却下になった場合
・免責不許可となった場合
・免責決定が取り消しになった場合

といった特定の条件を満たした時に自己破産者として破産名簿に掲載されるので、全体から見た時には数%に留まるわけです。また、破産者名簿は非公開となっているので、原則として担当窓口の職員以外が必要に応じて参照する以外に使われることはありません。

戸籍や住民票に破産者として記載されてしまうと、破産免責決定を受けた時に再度取得し直す必要が出てくる場合が生まれてしまいます。破産者となった事実は、必要最小限の範囲内のみの公告で十分と考えられているので、官報及び非公開の破産者名簿のみで何ら問題ありません。

役所が発行出来る身分証明書に記載する事項として破産者名簿がある

自己破産申請を行っても、戸籍や住民票に破産者の記載がなされることはありませんが、本籍地の市町村村役場の「破産者名簿」には破産者として記載されて、市町村役場が発行する身分証明書にその記載がなされます。身分証明書という言葉を見ると、身分証明証と混同しがちですがあくまでも役所が発行する身分証明書のことです。

身分証明書とは、例えば成年後見人選任の際に、成年後見人候補者の身分証明書の添付が必要ですが、破産者は成年後見人にはなれませんので、破産者でないことの身分を証明するものです。市町村役場が発行する身分証明書に記載されている事項を予め知っておけば、日常生活で使用している運転免許証や健康保険証とは全く異なる意味での身分証明書だと分かります。

市町村役場が発行する公的な身分証明書に記載されている事項は次利用になります。

1.禁治産又は準禁治産の宣告を受けていない
2.後見の登記の通知を受けていない
3.破産宣告の通知を受けていない

また、免責許可決定を受ければ抹消されますので安心してください。戸籍や住民票に記載されることはありませんので、自己破産をしたことが近隣住民に知られることもありません。さらに、自己破産申立をしたことを、平成17年1月1日以降は裁判所が会社に通知する事もありません。破産宣告を受けてから免責決定が行われるまでの期間は、破産手続きが同時廃止となれば2ヶ月から4ヶ月程度ですが、破産管財事件となると6ヶ月から1年以上となることも珍しく無いわけです。

破産者名簿に掲載されても影響は限定的

破産宣告は官報に公告されますが、一般人が官報を見ることはありませんし、裁判所から破産者の勤務先に破産宣告の通知をすることはありません。したがって、破産者が自ら会社に言わない限り、破産宣告を受けたことが会社に分かることもありません。万一、破産宣告を受けたことが会社に分かったとしても、会社は破産宣告を受けたことを理由にその破産者を解雇することはできません。例外的に会社勤務が出来なくなるケースは、破産宣告から復権が行われる免責決定許可が出るまでの数ヶ月間について職業禁止規定が定められている特定の職種として勤務している場合です。

自己破産を行っても日常生活に影響が少ない理由とは

破産者は、破産宣告後に得た収入、財産は、原則として破産者がすべて自由に使えますので、一生みじめな生活を送らねばならならないということはありません。戦前は破産宣告を受けると公民権が停止されましたが、現在では、破産宣告を受けても選挙権、被選挙権などの公民権が停止されることはありません。あくまでも特定の資格取得を行う職業について、一時的に就業が出来なくなるといったケースが発生するに過ぎません。他人の身体や財産を管理したり守る職種について、破産宣告を受けて復権する前の期間に行うことは問題ありと考えられるわけです。弁護士や司法書士といった特定の法律行為を行う士業や、保険外務員といった重要事項説明を伴う加入者の身体や財産を保護する保険商品の販売を行う場合が該当します。

役所に対して公的な身分証明書を発行してもらうことは、就職活動や転職時でも無ければ破産宣告を受けた事実を会社に知られることがありません。戸籍や住民票に破産宣告を受けた事実が掲載されないので、敢えて一般の人が破産宣告をしていることを知り得る機会は極めて限定的と考えられます。

自己破産手続き中に制限されること

破産宣告を受けると海外旅行ができなくなるのではと心配している人もいますが、そういうことはありません。ただし、一定の財産があって破産管財人が選任されて破産手続きが行われるケースでは、破産手続中に長期の旅行をする場合は裁判所の許可が必要となっています。破産管財人が選任されるケースでも、破産手続きが終結した後は、自由に海外旅行ができます。破産宣告を受けたことによる、様々な資格制限も破産者が免責決定を受ければ、すべて解消されます。

自己破産を行う場合には、破産同時廃止となるケースが個人の破産では多いので、海外旅行へ出かけたいと考えている時には数ヶ月だけ待つと良いです。長期間の旅行が国内ならば、資産の売却処分が必要となる破産管財事件の場合のみ裁判所の許可を免責決定が出る前までは行う必要があります。なぜなら、自己破産宣告を受けて免責決定を得ることは、債権者の手持ち債権を回収不能にしてしまう効果を持ち債権者にとって大損害となるからです。自己破産手続きは、免責決定による影響が大きいからこそ効果を限定的にしなければならないわけです。

自己破産の申し立て手続きは、裁判所の決定を求める債務整理方法として最も強力な債務減額方法です。自己破産手続き自体は、生活を再建させることを最優先としているので、今までの生活スタイルを改めて節約志向で家計収支のバランスを良くしなければなりません。自己破産手続きに強い弁護士へ自己破産手続きを依頼すれば、自己破産手続きを開始してから免責決定を受けるまでの期間だけ、特定の制限があると知ることが出来ます。ごく一般的な生活を行っていれば、自己破産に至る経済状況なほど長期旅行にお金を費やすだけの余裕が本来は無いはずです。浪費と判断されないためにも、自己破産手続きが全て完了しした時点までは贅沢な行動を慎まなければなりません。



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