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年金生活者が自己破産!年金担保融資が廃止されるキッカケになった理由とは


Cさんは飲食費やパチンコの為に消費者金融から借金したことが原因となって、その後借金返済のための借金を繰り返さざるを得ない状態に陥りました。いわゆる自転車操業状態に陥ったわけです。

そして11年間運転手として勤務した運送会社を解雇されました。その後必死になって再就職先を探したのですが、深刻な経済不況のために、63歳のCさんは仕事を見つけることができませんでした。失業保険を貰っていましたが10ヶ月程で切れてしまいました。

預金通帳とキャッシュカード、銀行印を担保

Cさんは、二ヶ月に1回、約18万円の年金の支給を受けていました。しかし年金が振り込まれる銀行の預金通帳とキャッシュカード、銀行印を担保として年金担保金融業者に預けて、生活費や借金のために18万円を借りたので、年金もほとんど受け取ることができない状態になってしまいました。

そして消費者金融、クレジット、ヤミ金融10社から合計570万円もの借金を抱え、とても返済できなくなりました。消費者金融、クレジット、ヤミ金融業者の過酷な取り立ては、とうとうCさんと同居している67歳の兄や89歳の母親にも及ぶようになりました。責任を感じたCさんは一時自殺を考えましたが、マスコミ関係者に紹介された弁護士に債務整理を依頼しました。弁護士はすぐにCさんが借りている消費者金融・クレジット・ヤミ金融業者に受任通知を出して、自己破産申立ての手続きを取ることにしました。

受任通知が届くと、すぐに年金担保金融業者からCさんに年金が振り込まれる銀行の預金通帳とキャッシュカード、銀行印が返還されましたので、Cさんは支給されている年金の全額を受領することができるようになりました。また兄・母親に対する消費者金融・クレジット・ヤミ金融業者の督促・取立てもなくなりました。

Cさんは地方裁判所に自己破産および免責申立てを行い、2ヶ月後に破産審尋が行われ、同日に破産宣告と同時廃止決定がなされています。2ヶ月後に免責審尋が行われ、翌月に免責決定がなされています。

Cさんは、現在では多重債務の重荷から解放されて、兄、母親と共に平穏な生活を取り戻しています。

年金担保融資は2種類しか存在しない

年金加入者は一定期間年金を払っていると、65歳を目安に加入している年金を受け取れます。国民年金と厚生年金や共済年金はそれぞれ支給開始年齢に違いがあるので、何歳から受け取れるのか事前確認しておくと良いでしょう。企業年金の中には、60歳から10年間限定で支給というケースがあるほど様々なタイプがありますが、定年を迎える迄に貯蓄をしておかないと、年金担保融資に頼ることになりかねません。特に定年が60歳と早く再雇用制度に上手く乗れずに65歳の年金支給開始まで仕事が無い状態では、年金担保融資に頼らざるを得ない人も出てしまうわけです。

しかし、年金は本来担保や抵当に入れることが禁止されている本人に限定した保障制度ですから、公的機関に限り例外措置として年金担保融資が行われています。実際に年金担保融資を行っているのは、独立行政法人福祉医療機構と株式会社日本政策金融公庫だけです。また、年金担保融資そのものが令和4年3月末にて廃止されることが既に決まっています。今後は社会福祉協議会が実施している生活福祉資金貸付制度が生活困窮者向けに対応することになりますが、年金を担保にすることはありません。つまり、現段階で上記2つの公的機関以外から年金担保融資を受けていたら、ヤミ金融業者の疑いが強いわけです。

年金担保融資がヤミ金業者の温床になっている

年金担保融資は、独立行政法人福祉医療機構と株式会社日本政策金融公庫のどちらかのみが年金の種類により実施出来る例外的な措置です。民間の金融業者が担保として差し入れが出来ない年金を担保とすることは禁止されているので、年金担保融資を行っている相手が上記2社以外ならヤミ金融業者を相手にしていることになります。正規の金融業者が年金担保融資を行っている場合には、貸金業法違反として金融監督庁から行政処分を受けて業務停止命令となるでしょう。このため、年金担保融資を受けていたら既にその借金の多くは元金と利息ともに返済義務が無いヤミ金融業者からのものと考えられます。老化に伴い働けなくなっている高齢者にとって、年金を取り上げられたら生活が立ち行かなくなってしまうでしょう。生活が苦しくなりすぎて弁護士へ債務整理の相談に行ったことで、違法貸付を知ることになり、結果的に債務整理に着手した事例が多いわけです。

自己破産申し立てを行うことで正規の金融業者からの借入金も全て清算

Cさんの事例では、複数の借入先から多額の借金があったため、思い切って自己破産という選択を弁護士主導の下で行ったと考えられます。20万円以上の資産価値があるものを持っていない状態ならば、思い切って自己破産を行ってみると破産免責決定を受けることで債務返済義務を免除してもらえるわけです。

ヤミ金融業者からの借入があると、破産法第252条にある免責不許可事由に該当するため、本来ならば破産免責決定を受けられないと考えがちです。しかし、裁判官による裁量免責という余地が残されているために、Cさんの場合には破産免責決定を受けられました。本来ならば少額管財事件となる所ですが、借金に至るまでの事情と生活状況を考慮した上で、自己破産申し立てから破産同時廃止が決まるまでに2ヶ月間を要していることからも、裁量免責の余地ありとされたと考えられます。自己破産申し立てからすぐに破産宣告を受ける場合には、少額管財事件となって免責不許可事由について破産管財人により生活状況のチェックが入る流れです。それでも借金事情が失業と再就職困難という状況下では、やむを得なかったとして他に無駄遣いをしていない生活状況ならば、やはり裁量免責が認められるでしょう。

年金受給年齢になったら思い切って債務整理に着手しよう

年金受給年齢になった時点で借金が残っている場合には、年金担保融資というヤミ金融業者が多く介在する事態を避けるためにも、早期に債務整理に着手すると良いです。年金受給開始前に完済出来る状況であっても、債務整理に着手すれば完済を早めて貯蓄に回せるお金を用意出来る可能性があります。豊かな老後を迎えるためにも、早期に債務整理を行い生活状況を見直すことが出来れば、年金担保融資に手を出すことも無くなるでしょう。



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