実際に債務整理を司法書士事務所に依頼した方が、清算表を公開していましたので内容をご紹介します。実際にかかった実費などの金額明細が分かります。 司法書士事務所は匿名にしておきますが有名な司法書士事務所です。
業者は銀行と消費者金融が計5社。過払い返還と任意整理での交渉。全て満5で解決(満額=過払い金全額、5=過払い金に対する利息年5%)裁判については書士の人が付き添ってくれて 約五分位の裁判に2回出ただけで全面勝訴ということです。
弁護士事務所に比べれば裁判の日当などは比較的安めだと思います。 司法書士に依頼しようとお考えの方は参考になると思いますし、実際に裁判になった場合は自分でやらなければならないケースも多いと聞きますので、 こうして裁判まで付き添って貰える事務所であれば安心ですよね。
この方は過払いの金額が比較的大きいので、司法書士が有利な条件を取ろうとやる気になっているとも考えられますよね。 トータルで大きくない過払い金額で同じような手間数をかけて貰えるかどうかは分かりません。
清算表実例
内訳 | 業者名 | 説明 | 金額 |
---|---|---|---|
過払い返還額 | アイフル | \708,000 | |
GE | \798,000 | ||
CFJ | \390,000 | ||
かざか | 計算表出さないので慰謝料請求 | \650,000 | |
アエル | \3,388,152 | ||
合計 | +\5,934,152 |
内訳 | 業者名 | 説明 | 金額 |
---|---|---|---|
受任手数料 | \5,000 | ||
任意整理報酬 | 31,500×5 | \157,500 | |
過払い訴訟の着手金 | 21,500×4 | \84,000 | |
過払い報酬 | 15% | \885,360 | |
上記過払い報酬の消費税 | 5% | \44,268 | |
合計 | -\1,176,128 |
内訳 | 業者名 | ||
---|---|---|---|
訴訟費用・実費 | アイフル | 印紙代 \8,000 | 郵便代他 \3,500 |
GE | 印紙代 \8,000 | 郵便代他 \3,500 | |
CFJ | 印紙代 \8,000 | 郵便代他 \3,500 | |
アエル | 印紙代 \8,000 | 郵便代他 \3,500 | |
資格証明書代 | \1,000 | ||
交通費・取り下げ費用等 | \11,660 | ||
銀行振込手数料 | \1,995 | ||
訴訟日当 | 10,100×2 | ||
合計 | -\72,389 |
過払い金請求では満額回収と年5%の利息取得がゴールになる
過払い金請求は、不当利得返還請求となるので民法第703条に基づく請求となります。上記例は消費税の税率と過払い金額から分かるように、やや以前のものとなっているので近年とは異なる部分が多少あるでしょう。しかし、基本的に過払い金請求を5社に対して行い4社に対して訴訟提起したことが分かります。1社については慰謝料請求という形になっていますが、裁判には至らず和解をした可能性が高いです。
過払い金請求を単純に行っただけでは、残念ながら金利引き直し計算をした過払い金全額の回収は困難です。このため、実際に過払い金請求を全額回収するためには、不当利得返還請求訴訟を提起して判決を取得する必要があります。貸金業者の中には、判決取得を嫌がる会社があるので、常に和解交渉を望むことが多いです。裁判が進行中に随時和解交渉が進むと考えれば良いでしょう。
過払い金請求額140万円以上は弁護士にしか依頼出来ない
過払い金請求を行う際には、弁護士よりも司法書士の方が着手金・成功報酬ともに安い傾向があります。なぜなら、過払い金請求訴訟の成功報酬額15%は相場が20%~25%という状況と比較して明らかに安いと考えられるからです。印紙代や郵券代は、数千円という範囲内で済みますが、実際に訴訟へ出向く際の訴訟日当は弁護士に依頼すると15,000円~30,000円程度と高額になりやすいです。
注意しなければならない点として、過払い金請求訴訟を提起出来るのは司法書士の場合なら簡易裁判所のみであって、地方裁判所への提訴が出来ない点です。上記例ではアエルに対して過払い金請求訴訟を提起した可能性がありますが、金額が大きいので地方裁判所という形になり、本人訴訟を行ったことになります。認定司法書士であっても300万円を超える過払い金があるアエルに対しての訴訟は、簡易裁判所では扱ってくれないために訴訟代理権が司法書士には及ばない地方裁判所での裁判しかありません。金額が大きい場合には、弁護士への依頼をしなければならないと知っておくと良いでしょう。なぜなら、複雑な訴訟内容となった場合には、残念ながら弁護士でなければ対処出来ない事態になることが多いからです。