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免責不許可事由ではどのようなケースが多いの!?自己破産申し立ては正直さが求められる


債務整理を行う際に、自己破産を選択して申し立てを行ったからといって、必ずしも破産免責決定を受けられることが保証されるわけではありません。なぜなら、免責不許可事由に該当すると裁判所から言われてしまうと、免責不許可決定が出てしまうことがあるからです。では、実際にどのようなケースで免責不許可とされてしまうことが多いのでしょうか。

免責不許可事由で多いケースは以下になります。

①金銭の使途にギャンブル等がないか

②負債額や信用状態等について誤信をさせて借入をしていないか

③信用取引をするなど欺瞞的な借入等がないか

④換金目的でのクレジットがないか

⑤偏った返済がないか

免責不許可にならない場合でも「一部免責不可」や「管財」になるケースがあるようです。ギャンブルに関しても免責が下りるケースもあります。短期的に資金を回転させているような場合や、作為的に嘘の情報でお金を借りている場合は免責不許可の可能性が高くなるでしょう。

現状、免責不許可事由で異議を申立てる債権者はほとんどいないということです。理由としては、借りて使ったお金が生活費に使われたのかパチンコに使われたのかは異議を申立てる債権者が調べる手だてはありません。 また債権者が免責不許可事由を指摘した場合でも、裁判所の裁量により免責の決定がなされるケースがあります。

但し免責不許可事由を債権者から訴えられない場合でも裁判所の判断で免責は下りないこともあります。

免責が認められなかった場合

自己破産が決定したのに、最終的に免責が不許可になってしまうこともままあります。その場合、破産申し立ての取り下げができず、破産廃止決定の状態のままとなり、債務はそのまま残ってしまいます。

しかし債務者が自己破産をした事を知り、債権の回収をあきらめる債権者も多いので、自己破産したことが無駄になるということはありません。尚、免責が不許可になった場合の対策としては、一般的には2つの手続きがあります。

1つは、免責不許可の決定を不服として、地方裁判所より一段上である高等裁判所に異議を申し立てる方法です。これを「即時抗告」といいます。即時抗告を申し立てることで、免責不許可の決定がくつがえり、免責される場合があります。尚、即時抗告は免責不許可の決定が送達された後、1週間以内に行う必要があります。期日以内に即時抗告の申し立てをしないと、免責不許可決定が確定されてしまうので注意が必要です。

もう1つは「任意整理」をして借金総額を減らし、債務を支払い終えた上で、裁判所に「復権」を申し出て決定してもらう方法です。任意整理をする際に、弁護士や司法書士に代理人になってもらい、債権者と残りの返済額や返済方法を交渉してもらうことで借金総額を減らせる可能性があります。

仮に免責の許可が下りなくても、そう悲観することはないのです。その後の対策をとることで、新しいスタートを切ることができます。ちなみに自己破産の申し立てをした人の8割以上は、免責の許可をもらっています。免責不許可事由に該当してしまった場合でも、裁判所が裁量で免責することもあります。

自己破産を選択する前に免責不許可事由に該当しないかチェックする

自己破産を債務整理方法として選ぶ際には、破産宣告を受けることを重視するのではなく、破産免責決定を受けることが目的です。なぜなら、破産免責決定を受けられないならば、個人再生手続きを行った方が債務総額を圧縮出来るからです。自己破産を行った結果として最初に行われるのは、破産宣告であって債権者一覧表を裁判所へ届け出て債務額を確定する作業が行われます。免責審尋を受けることにより、届け出た債務を免責して良いか裁判所が決定して判決を出すわけです。破産免責決定を受けると、債権者にとってはほとんど債権が紙くず同然となってしまうので、大きな迷惑を掛けることになります。このため、破産法では免責不許可事由として予め定めることで、不用意な自己破産申し立てを防いでいるわけです。

免責不許可事由は、破産法252条1項1号~7号に記載されている内容に該当するかどうかで確認出来ます。債務整理方法の中でも最も債権者に涙を飲んでもらわなければならない強権力を発動することになるので、やむを得ない理由以外の浪費やギャンブル・詐害行為による借入まで保護する理由はありません。具体的に詐害行為がどのような範囲を指すのかを示すために、各号に分けて記載されています。

クレジットカードの不正利用や転売目的での商品購入といった行動は、カード会社がある程度気をつけていても防ぎきれない部分です。カードローン審査を受ける際に、申込情報そのものを誤認させる狙いで行っているならば、そもそも免責決定を出して債務者を保護する理由が見当たりません。やむを得ない理由の借金かどうかを見極めるための指針として、破産法252条1項1号~7号に掲載されている内容を免責不許可事由としているわけです。

裁判所による裁量免責は正直な申し立てを行った人のみに与えられる

破産免責不許可事由に該当する理由で借金を行った場合には、全て免責不許可決定が出るとは限りません。なぜなら、破産法には明文化されていないものの、裁判所の判断により自己破産申し立てを行った本人が反省していて、生活態度を改めていると確認出来る場合については、裁量免責が認められているからです。裁量免責が行われるかどうかは、裁判所ごとに基準が異なるものの明確な免責不許可事由に該当する場合には、同時廃止事件とはせずに破産管財事件として破産管財人を付けて経過観察を行うことがあります。

債権者の中には、クレジットカード会社が含まれていることが多いので、同じ商品を繰り返し短期間で不自然な買い方をしていれば、換価目的での利用だとすぐに判明するでしょう。正直に免責不許可事由に該当する使い方をしたと認めている自己破産申し立てに対しては、正直な申し立てを行ったとして反省と改善の努力が見られるならば、裁量免責を与えても良いという考え方になります。

自己破産の申し立て書類作成は、本人が作成したり司法書士に作成依頼を行うことは出来ますが、免責不許可事由に該当する債務が含まれている場合には、弁護士に依頼する必要があります。なぜなら、裁判官がどのような思考パターンで免責許可決定を出すのか知り尽くしている弁護士でなければ、裁量免責を引き出せる申立書類作成が難しいからです。

免責監察型の破産管財事件を目指せば良い

裁判所の判断により免責不許可事由がある場合であっても、反省文の提出と弁護士指導の下で家計簿作成などにより裁量免責を認めることがあります。しかし、反省文と家計簿作成によっても裁量免責を行うことが難しいと判断した場合であっても、大阪地方裁判所で行われているように、破産管財人による一定期間破産者の家計管理状況を把握した上で指導を行い、経過観察を行った上で担当する裁判官が裁量免責を認めるかどうか再度判断するという免責観察型の破産管財事件があります。

他の裁判所でも定型化されていないものの、破産管財事件とすることで裁量免責の余地を残す方法が模索されているので、個人再生が難しいと判断出来る場合には、自己破産を申し立てた上で免責監察方の破産管財事件となることを期待すれば良いです。自己破産手続きは、あくまでも生活再建を行うための手段であって、生活改善を真摯に考えて実行出来る人に対しては裁判所も裁量免責の範囲を広く考えます。



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