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白紙委任状と印鑑証明書を渡したら人生詰む?正規金融業者なら事業継続不可能なレベル


ある消費者金融に借金をしに行ったところ、契約の際に業者から白紙委任状と印鑑証明書を要求されました。しかし、仮にどのような場合であっても白紙委任状や印鑑証明書を渡すのは危険であると聞いていましたので、金を借りずに帰ってきました。果たしてこのような場合でも白紙委任状を渡しても大丈夫なのでしょうか?

このような場合、要求されても絶対に白紙委任状と印鑑証明書は渡してはなりません。どうしても消費者金融業者が要求するのであれば、そのような業者からは絶対にお金を借りないようにする方が安全です。

白紙委任状と印鑑証明書があればやりたい放題出来る

白紙委任状や印鑑証明書は、公正証書を作ったり、不動産に抵当権などの担保設定登記をする際に使用される場合が考えられますが、消費者金融業者などは公正証書を作成する場合が多いと思われます。公正証書が作成されれば、裁判をしないで直ちに強制執行により、給料・家財道具などを差し押さえる事が可能になります。 また委任状を白紙にしておけば、業者が勝手に自分の都合のよい事項記入して公正証書を作成できるため、借主に著しく不利な内容の公正証書が作成される恐れがあります。

貸金業者が債権を行使しようとする場合、裁判を提訴した上で判決を取得しない限りは強制執行出来ない決まりとなっています。しかし、公正証書が作成されていると税金の差し押さえと同様に公正証書が判決文と同じ効力を持つことになるので、すぐに裁判所の執行官に対して強制執行手続きを依頼出来ることになるわけです。白紙委任状を渡した時点で、後から何を書き込まれてどのようなリスクを負わされても文句を言わずに不利益を享受するという奴隷契約に近い状態となりかねません。闇金融業者が行う典型的な手口として使われているので、正規の貸金業者が白紙委任状と印鑑証明を取得して債務者に不利益なことを勝手に書き込んでしまうと、闇金融業者と同じ水準に落ちたことになります。

しかし、白紙委任状には実印と実印が正規のものであると証明出来る印鑑証明がセットで提示出来る状態ならば、見せられた人は正規の委任状だと疑う余地がありません。白紙委任状に後から何を書き込んだとしても、後から書き込んだという証明が難しいだけでなく、たとえ後から書き込みしたと分かったとしても白紙委任状を渡したこと自体が問題視されます。実印押印済みの委任状と印鑑証明書をセットで提示された法律上の善意の第三者は、正規の書面として疑いなく扱うことになるので、後から白紙委任状だと知らされても効力に影響を与えません。なぜなら、善意の第三者は法律上保護されるべき立場だからです。

貸金業登録番号を調べてすぐに通報しよう

したがって、白紙委任状や印鑑証明書をうっかり渡してしまうと、思わぬ不利益を被ることにもなりかねませんので、絶対に渡すべきではありません。なお、貸金業法20条は、一定の事項を記載していない白紙委任状の取得を制限しており、これに違反した業者は監督行政庁より業務の一部又は全部の停止を命ぜられ、 登録を取り消されることがあります。また、この規定に違反すると貸金業法第48条の規定により一年以下の懲役もしくは300万以下の罰金に処せられ、またこれらが併科されます。また、割賦販売法に関する経済省通達は、クレジット(信販)業者が白紙委任状を取得することを制限しています。

正規の金融業者にとって、業務の一部又は全部の停止命令は営業自体が出来ないことを意味するので、即倒産リスクが発生する重大事案となります。このため、改正貸金業法が完全施行されて以降、正規の貸金業者が白紙委任状と印鑑証明書を渡すように指示する事例は会社レベルでは有り得ません。しかし、勤続年数が長い一部の貸金業者社員は、会社にバレなければ問題ないとして近年でも法律に無知な人に対して白紙委任状を要求することがあります。

白紙委任状と印鑑証明書を渡した時点で改印手続きを取るしか無いのか

では、実際に白紙委任状と印鑑証明書を貸金業者の担当者に言われるがまま手渡してしまった場合にはどうしたら良いのでしょうか。結論から言えば、すぐに実印を改印手続きした上で貸金業者を監督する監督行政庁への通報するしかありません。実印を作り直すためには数日要することが多いですが、多少費用が掛かっても構わなければ一旦即日手彫りしてもらえる所に実印を発注して、すぐに市区町村へ改印申請すると良いです。

また、改印手続きは2回行うことも出来るので、実印廃止手続きだけ先に行ってから改めて実印登録という流れを理解しておくと良いでしょう。もし白紙委任状を使って貸金業者から勝手に何らかの手続を行われてしまった場合には、既にその日には実印が無効だったことを証明することが出来ます。日付の前後で決まってしまうので、白紙委任状を一刻も早く無効にしたいなら、先に実印廃止手続きだけでも行っておくと良いです。

実家に転居出来る状態ならば引っ越してしまう手もある

印鑑証明書については、あくまでも住民票を置いてある住所地においてのみ市区町村役場で届け出可能なものです。このため、転出届を出して別の市区町村へ転入すると、改めて印鑑登録を行わない限り印鑑証明書そのものが無効になります。実際に住んでいない場所への住民票移転は、後から債権者に無効申請を出されてしまうので意味がありませんが、実家ならば家族全員の住民票移転をしても就学児童がいない限りは影響が少ないでしょう。

貸金業者が白紙委任状を使って公正証書を作成したとしても、既に転出先の住所地に変わっている場合には委任状そのものが無効となります。公証人が住民票を確認することは出来ないので、公正証書が作られていたとしても強制執行時点で執行官により住民票住所が違うことが分かるので、公正証書があっても強制執行出来ません。闇金融と同じ手口で強制執行を行おうとして貸金業者については、裁判所の執行官から詳しい事情を聞かれて慌てふためくでしょう。



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