財政破綻の夕張市「1秒67円ずつ借金返済中」東京都職員から月給25万円市長

財政破綻の夕張市「1秒に67円ずつ借金返済している」と市長
2014.06.22 07:00 記者 : NEWSポストセブン
超高齢化・人口減少は特に地方において顕著で、2007年に財政破綻した北海道夕張市では、過去50年で人口が10分の1以下に激減した。その夕張市の再生に取り組むのが、2011年に30歳の若さで市長に当選した鈴木直道氏(33)だ。

 東京都職員という安定した職を捨てて月給25万9000円の市長に転身。年収は200万円近く下がり、選挙で落ちれば職を失うリスクもある。それでも夕張再生のために奮闘する同氏は、人口減少に直面した国家に何が足りないと考えているのか。

──夕張市長就任後すぐに打ち出したのが、人口減少に対応して都市機能を中心部に集約する「コンパクトシティ」の計画だった。
 
鈴木:夕張はもともと炭鉱の町として栄え、最盛期の1960年には人口12万人弱の都市でした。それが石炭産業の衰退によって減少に転じ、さらには財政破綻により、昨年ついに1万人を切った。にもかかわらず、インフラは10万都市のスケールのまま残っていたのです。
 
 現在約5400世帯の夕張市には公営住宅が約3700戸あります。炭鉱会社が撤退する時に市が引き取ったものがほとんどで、世帯数に対する割合は全国で一番高い。入居率は低いのに維持費だけで年間数億円が費やされてきました。コスト削減と行政サービス効率化、持続可能な地域社会の構築のために住宅再編が急務でした。
 
──50年あまりの間に有効な対策が取られなかったのはなぜか。
 
鈴木:夕張に限った話ではありませんが、「選挙」の問題があったと思います。住民が「市長たる者は人口を増やして地域を活性化するために働いてほしい」と考えるのは自然なことです。夕張では石炭産業の衰退以降は「炭鉱から観光」をキャッチフレーズにリゾート開発に邁進した。「10万都市の栄光をもう一度」という考え方で一時期は評価もされましたが、結果莫大な借金を抱えてしまった。市内には今も立派なホテルが複数ありますが、すべて市の所有で固定資産税は一銭も入ってきません。
 
──政治家が景気のいい話ばかりをして、「負の遺産」が残った。
 
鈴木:もちろん夢を語るのも政治家の仕事です。ただ、これからは現実を直視して未来に備えることも必要です。コンパクトシティを唱える都市は少なくありませんが、その多くは中心市街地を活性化して緩やかな住民移転を促していくスタイルです。

 夕張では全国で初めて、人口減少を前提にして町の集約化を進めています。東京でさえ2020年のオリンピック開催以降は人口が減っていくと予測されているのに、現実的に考えれば夕張だけが人口を大幅に増やす姿は描きにくい。

──夕張市が直面する高齢化や人口減少、財政健全化などの問題は国や他の自治体が取り組まなければならない課題そのものだ。
 
鈴木:私もそう思います。夕張は返済すべき借金353億円のうち、既に50億円以上を返済しました。1秒に67円ずつ返済している計算になります。一方で2007年に発表された数字では国の借金は1秒間に19万円ずつ増えていて財政健全化は後回しです。
 
──事実上の破綻を経験しなければ、危機意識は生まれないのか。
 
鈴木:そういう側面はあると思います。夕張は財政再生団体になって職員が260人から100人に減り、年収は40%カットという状況が強制的に生まれ、住民にも危機意識を共有してもらえている事情はあります。

夕張の財政破綻は一時期話題になりましたがかなり借金返済しながら復興しているようですね。
月給25万9000円で重責を担う市長は若くて行動力がありますし立派です。

今までは「炭鉱から観光」で住民を外から誘致して再生しようと試みたが失敗し、人口減少を前提にして町の集約化を進めているという、この判断はいいと思います。
財政が苦しい地方都市はどこも立派な箱ものを建設したり大都市計画をやっていますが、実際は人口減により街の機能は失われ商店は跡継ぎもなく店を畳みシャッター街となっていますよね。

これは個人の財政破綻にも共通するところがあると思います。まず大きな”夢”は置いておき生活コストや事業コストをコンパクトに集約させます。断捨離という言葉もありますが切り捨てる物もたくさんあると思います。そして借金が増える状況から毎日借金が減るようにキャッシュフローを考えていきましょう。相応の生活レベルや事業レベルで利益を出しながら成長できる規模まで縮小していくということです。効率化と機能性を重視するということです。これは長いスパンで考えると小さい数字でもチリツモで大きくなっていきます。

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