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冒頭ゼロ計算とは?過払い金請求されないように過去の取引履歴を一部伏せる信販会社がある


冒頭ゼロ計算とは?

冒頭ゼロ計算とは、過払い金請求を行うために必要な取引履歴の開示を一部しか行わない貸金業者や信販会社に対して、開示された取引履歴の最初の残債額を0円として金利引き直し計算する方法です。金利引き直し計算を行っても債務が残る任意整理とは異なり、過払い金が発生していると全取引履歴開示により過払い金請求をされてしまうことを恐れた一部貸金業者が、取引履歴の一部開示しかしないためにやむを得ず行います。

5年以上前の取引履歴については、既に廃棄したために開示できないという理由で直近5年以内の取引履歴しか開示されない場合、最初の借入取引が記載されずに残債額から取引履歴が印字されています。しかし、グレーゾーン金利での取引期間が長ければ、既に残債が0となっていることが多く、過払い金を立証されないようにするための非開示と考えられるので、最初の残債額時点で既に残債が0になっている可能性が高いです。

大手信販会社であっても全取引履歴を開示しない会社がある

過払い金請求のために全取引履歴を開示請求しても、過去の取引については保管期間を過ぎたものは全て破棄しているという主張をする信販会社があります。大手信販会社の中では、オリエントコーポレーション、三井住友カード、三菱UFJニコスといった会社では、たとえ弁護士が請求しても過去2年~5年分の取引履歴しか開示されません。

なぜなら、過払い金返還請求は、民法第703条に基づく不当利得返還請求権を根拠としているので、立証責任が債務者側にあるからです。全取引履歴を開示せずに一部取引履歴のみで過払い金請求を行うためには、非開示部分の取引について推定計算を行うことになります。冒頭ゼロ計算も一部推定計算と考えられますが、過払い金請求を行う際に開示された取引履歴の最初に示されている借入残高を0円とすることで、確実に過払い金が発生することを裁判で主張出来ます。

冒頭ゼロ計算が必ずしも債務者にとって有利とは限らない

信販会社や消費者金融が一部取引履歴しか開示しない場合には、確実に過払い金が発生すると考えて良いです。なぜなら、金利引き直し計算を行っても借入残高が残る場合には、大手信販会社であっても全取引履歴の開示請求に応じているからです。同じ信販会社であっても、取引内容により一部の請求者に対してのみ過去の取引履歴が無いと主張している点は整合性が取れません。

また、冒頭ゼロ計算を行った時には、一部開示された取引履歴の最初にある借入残高時点で既に過払い金が発生していた場合には、実際にはマイナス表記となる所を0円と過小評価していることになってしまいます。例えば、金利引き直し計算を行った結果として5年前の時点で20万円の過払いになっていたとしても、冒頭ゼロ計算をしてしまうと0円表記になるために本来の過払い金全角よりも20万円少なく請求することになるからです。

冒頭ゼロ計算と推定計算は使い分けが大切

冒頭ゼロ計算を行うメリットは、複雑な推定計算により過払い金返還請求訴訟が長引かないという点を挙げられます。弁護士に委任している場合には最初から推定計算を行えば良いですが、過払い金額が少なく認定司法書士へ委任して簡易裁判所への申し立てをしている場合には、推定計算の後で取引の分断を貸金業者が主張するため地方裁判所への移送申し立てが行われかねません。弁護士へ委任している場合を除いて冒頭ゼロ計算を行っても貸金業者から異議を主張される可能性があります。




 

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