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免責取り消しの決定とは?免責不許可事由があるからといって財産隠しは大損


免責取り消しの決定とは?

免責取り消しの決定とは、自己破産申し立てを行い破産免責決定が下りた後に、出された破産免責決定を取り消しされて借金返済義務を復活させることです。自己破産手続きは、破産開始決定により債権額を確定し、破産手続き終了後に行われる破産免責審尋により裁判官が吟味した上で破産免責決定が行われます。

破産免責決定が出されてから2週間経過すると確定しますが、破産法第254条に基づき破産詐欺罪が確定した場合または破産者が不正な方法により破産免責許可の決定を受けた場合は、破産債権者が当該免責許可の決定から1年以内に免責取消しの申し立てをした時に行われます。裁判官による職権での免責取り消しも有り得ますが、一度確定させた破産免責決定の取り消しは、ハードルが高いです。

破産免責決定が取り消される条件は2つ

破産免責決定が取り消されるのは、破産免責決定から1年以内に限られます。なぜなら、破産免責決定が確定してから長い期間が経過してからの取り消しは、与える影響が大きすぎるからです。破産免責決定が取り消される条件は、次の2つのうちどちらかを満たした場合となっています。

①詐欺破産罪 債権者を害する目的で債務者の財産を隠匿・損壊して破産手続開始決定を受けたことに対し、有罪の判決が破産免責確定から1年以内に確定したとき

②不正な方法により破産免責決定が出された場合で、破産債権者が免責許可決定が出されてから1年以内に免責取消しの申し立てをしたとき 上記2種類の免責取り消し決定は、裁判官による職権と破産債権者による申し立てという方法のみで行われます。1年以上経過してからの破産免責取り消しの決定は、再審請求によるものしか無い点に要注意です。

免責取り消しの決定はどのような効果をもたらすのか

自己破産手続きについて誤解している人が多いので、免責取り消し決定が行われても借金が復活することに不自然さを感じてしまう人がいます。しかし、自己破産開始決定はあくまでも債権者名簿を確定させて債権額と債権者を固定するものに過ぎません。借金そのものが消滅するわけではなく、破産免責決定により借金返済義務のみが免除されるわけです。

免責取り消し決定が行われると、借金返済義務が取り消されて復活するので、借金自体が元々消滅したわけでは無いために、免責取り消し決定を受けた破産者は借金返済をしなければなりません。債権者の立場から見れば、借金自体は残っているので連帯保証人に対しては破産者が免責決定を受けても代位弁済請求は出来ました。破産者に対してのみ借金返済請求を出来なくなっていただけに過ぎません。

免責取り消しの決定を行う手順とは

詐欺破産罪の刑が確定するか破産債権者からの申し立てがあった時に、裁判所が必要な調査を行った上で免責取り消し決定を出します。すると、免責取り消し決定に関する書類が利害関係人全てに送付され、1週間以内に不服申し立てを行うことになっていて、不服申し立てがなされなければ免責取り消し決定が出されるわけです。

免責取り消し決定は、官報に掲載されて広く公告されます。破産免責許可が出た時には不服申し立ての申請が2週間という期限がありましたが、免責取り消しの決定は1週間しか不服申し立て期間が無い点に注意が必要です。最初から破産免責不許可事由に該当していても、裁判官による裁量免責があるので、後から免責取り消し決定を受けて人生をやり直すチャンスを棒に振ることは勿体無いです。




 

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