将来利息とは?
将来利息とは、借入した元金に対して完済に至るまで毎月支払う利息の総額を意味します。利息額は日割り計算で掛かってきますが、元金・日割金利・返済額・返済方式により大きく変わるので、同じ金額を借入しても返済総額は大きく変わります。将来利息を考える際には、毎月の返済額のうち元金返済と利息返済額を細かくチェックしてみるといかに利息を支払う割合が高いか分かります。
任意整理を行うと、元金のみの返済に限定して支払うことが交渉により和解が成立すれば可能となるので、毎月の返済額全てを元金返済に充当可能です。将来利息をカットするだけで、大幅に返済総額を減額することが出来るので、任意整理を行うと元金返済はそのまま行っているにも関わらず借金減額効果が高くなるわけです。
将来利息のカットでどのくらい返済総額が変わるのか
任意整理により将来利息をカットしても、元金はそのまま返済するから借金減額効果が少ないと考えているなら、次の例を参考にするといかに将来利息のカット効果が大きいか分かります。例えば、200万円の借入を年率15%で借入して、毎月4万円の返済を元利均等リボルビング方式で返済すると、完済まで79ヶ月かかり将来利息だけで1,158,251円も払うことになります。
元金も含めた返済総額は3,158,251円となるので、将来利息をカットした時に200万円のみ完済すれば良いことと比較すればいかに返済総額圧縮効果が高いか分かるでしょう。弁護士費用を支払ったとしても80~90万円以上は返済総額を圧縮出来る計算となるので、任意整理を行わない手はありません。
多重債務者となる原因は将来利息にある
自転車操業を行って返済を他社からの借入で埋めてしまうと、将来利息の計算が単利から複利へと実質的に変化してしまい、雪だるま式に借金が増えてしまいます。消費者金融や信販会社が採用している残高スライドリボルビング方式は、最小返済額を基準として返済金額が最小限となるように計算されています。返済金額を払えば借金を返した気持ちになっていますが、毎月の返済額のうち利息払いに充てられる金額が過半数を締めていることが珍しくないです。
利息は原則として単利計算されるので、締め日時点で借入総額に対して前回返済日からの日割り計算された金利を掛けて利息額を算出します。しかし、他社からの借入で返済してしまうと、他社借入額全額に対して次回返済日には日割り金利を掛けて利息が計算されるので、自転車操業をせずに支払っていれば単利で済んでいたものを、借りて返すという方法により自分で複利状態にしてしまったわけです。
将来利息カットに消極的な消費者金融が存在する
任意整理を弁護士や認定司法書士に依頼する最大の目的は、将来利息をカットしてもらい返済総額を大幅に圧縮して元金のみの返済にしてもらうことです。しかし、将来利息カットに消極的な消費者金融が一部存在するので、任意整理を得意とする弁護士の中には、受任時に消費者金融名から任意整理をしても将来利息カットすら応じない可能性が高いことを教えてくれます。
法定整理として個人再生や自己破産を視野に入れる必要があるので、将来利息カットは個人再生手続きでも可能であることを考えれば、将来利息カットが難しい消費者金融が存在することを頭に入れておくと良いでしょう。また、全ての弁護士が同じ消費者金融に対して将来利息カットを行えないわけではなく、弁護士と消費者金融の過去の交渉次第では全額ではなくとも将来利息一部カットに応じてもらえる可能性が残されています。