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消極的同意とは?個人再生手続きでは大きな意味を持つ


消極的同意とは?

同意の意思表示をしなくても、不同意の意思表示をしなかったために事実上の賛成をしたとみなされることを指します。主に小規模個人再生手続きにおいて、再生計画案の認可・不認可を決定する前に行われる債権者決議でよく使われる方法です。小規模個人再生では、債権者集会を開かずに提出された再生計画案に対して書面にて不同意回答を行った場合のみ債権者が反対の意思表示をしたとみなされます。不同意回答を記した書面を債権者決議日迄に裁判所へ提出しないことをもって、明確な反対の意思表示をしなかったから賛成したとみなすわけです。

会議で議決を行う際に、「議案に反対の人は挙手願います。」といった場合と同じ使われ方をします。「賛成では無いけれども反対でもない」というどちらでもない場合に、事実上の賛成多数としたい時に消極的同意が使われるわけです。同意と不同意を明確にしなければならないけれども、出来るだけ同意が多くなるようにしたいという場合には、不同意の人に対してのみ意思表示を促すことで、消極的同意が大きな役割を果たします。

小規模個人再生の債権者決議で過半数の消極的同意が求められる

債務整理を行う際に個人再生を選択すると、大半の人が小規模個人再生を選択します。なぜなら、個人再生手続きには小規模個人再生と給与所得者等再生手続の2種類がありますが、明らかに小規模個人再生の方が再生債権の減額率が高いからです。同じ3年間で圧縮された債務を返済するなら、総額が少ない方が返済が楽になるので、誰でも申し立て可能な小規模個人再生を選択します。

小規模個人再生は、本来企業向けの民事再生手続きを簡素化して個人事業主や自営業者が利用出来るようにした制度ですから、サラリーマンよりも収入が不安定になりやすいです。そこで、具体的な可処分所得を計算しづらい事情から、債権者決議により過半数の消極的同意が得られた場合のみ再生計画が認可されるという縛りを付けたわけです。消極的同意という明確に反対しない限りは賛成したとみなされる仕組みを利用する理由は、次の2つの条件どちらかに引っ掛かると債権者不同意となって個人再生手続きが強制終了するからです。

①再生債権の債権者から過半数の反対回答が行われた場合は不同意とする
②再生債権額ベースで過半数の反対回答が行われた場合は不同意とする

上記2つを共にクリアした場合のみ、再生計画案を認可するかどうか決める手続きへ進みます。純粋な多数決ではなく、縛りが大きいために消極的同意という無異議債権を増やす取り組みが採用されているわけです。

弁護士なら消極的同意が得られるか事前にチェック出来る

小規模個人再生の債権者決議で使われる消極的同意は、再生計画案の認可を受けられるかどうかを左右する大切なものです。小規模個人再生を多数取り扱った経験がある弁護士ならば、大半の債権者が債権者決議に対して無回答を示す消極的同意を得られることを知っています。しかし、一部の債権者は毎回のように債権者決議に対して積極的な不同意回答を出すため、債権者一覧表作成時に再生債権者へ弁護士から打診して様子見を行うわけです。

債権者決議が不同意過半数となる見込みの場合には、債権者決議を必要としない給与所得者等再生手続へ申し立て内容を変更して早期決着を図れます。可処分所得の2年分という返済額は重いので、なるべく消極的同意を得ようと弁護士が働きかけてくれるので、債権者との関係がこじれる前に債務整理相談を弁護士へ行うと良いでしょう。




 

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