弁護士や司法書士に過払金返還請求を依頼した際に、裁判や和解方法など、どのような点に注意し説明を受けるべきかポイントをまとめてみました。明確に方針を決めないまま専門家に委ねると、納得のいかない和解交渉や条件などで状況も分からず不安になるだけですので、受任時にしっかりと方針を確認しておきたいです。
過払金返還請求訴訟
①過払金返還請求訴訟の流れ
訴え提起後、弁論、証拠調べを経て判決に至ることになります。
②訴訟に要する費用
訴訟に要する費用として、司法書士報酬および印紙代、予納郵券等の金額の説明。その他の費用としては事案によって尋問の内容を録音したテープを反訳するための費用も必要となります。
③予想される手続き期間
訴訟内容にもよりますが、通常は口頭弁論期日2-3開廷、尋問期日を1開廷で判決に至ると思われます。1審判決言渡しまで訴え提起後5ヶ月程度になります。
④予想される争点の内容
借入れと弁済の事実の主張・立証がポイントであり、被告の代表的な抗弁はみなし弁済になります。最近では取引の分断と一連計算が大きな争点となることが多いようです。
⑤被告による反訴提起の可能性
貸金業者の計算でも完済していれば問題はありませんが、残債務が残る場合、貸金業者から反訴の提起があり得ます。
⑥勝訴判決を得た場合の回収方法
大手貸金業者の場合、判決後、認容額について任意の支払いが期待できますが、中小貸金業者が被告の場合は強制執行の申立ても必要となる場合もあります。
⑦和解基準
訴え提起後、判決に至らず和解により解決する事もあることから、あらかじめ依頼者との間で和解をする場合の基本方針を打ち合わせておく必要があります。
⑧司法書士の代理権喪失
司法書士の訴訟代理権は、簡易裁判所における訴額を基準としています。当初、司法書士が訴訟代理権を有し、簡易裁判所において訴訟活動を行っていた事件であっても事案によっては、地方裁判所に裁量移送されるケースもあることから、万一、関与事件が簡易裁判所から地方裁判所に移送された場合、司法書士は訴訟代理権を喪失し、移送後の地方裁判所では訴訟代理人として、訴訟活動を
行うことができなくなりますので、事前に説明しておく必要があります。この場合、移送後の訴訟において司法書士が本人訴訟を支援する形で関与するのか、あるいは代理人として弁護士を船員するのか、事前に話し合っておく必要があります。