【質問者】
車のローンって債務整理出来ますか？車のローンは二台分あって尚かつクレジットの借金があるんで生活が厳しいから債務整理しようかと思ってるんだけど。
【回答者】
ていうか車検証の所有者名は誰ですか？たぶんローン会社名になっているのでは？返済が遅れればローン会社は簡単に車を引き揚げますよ。
車が無いとショックは相当だと思いますが、書類上はあなたの車じゃないですよ債務整理をとるか車をとるかでしょう。
ローンを残すか車を手放すか
この車のローンにおける債務整理の扱いに関しては弁護士さんでもかなり難しい判断になるようですね。まず所有者名義はローン会社ですから、前提として支払いが滞った段階で車を引き上げますよね。 ですが相談者としては債務整理をするわけですから今まで通り車を保持したまま支払いを続けたい人がほとんどでしょう。
この場合の債務整理とは任意整理についてですが、これ以外の個人再生や自己破産になりますと車が生活必需品とみなされなかった場合は、処分の対象となります。車ならば何でも良いと割り切らなければ、任意整理以外の思い切った債務整理を取ることが出来ないので、思い入れがある車を取るか任意整理をして残ったローンを我慢して払い続けるかという究極の選択となるわけです。
車を維持したままという前提で考えると、車のローンはこれまで通り払い続けて、他の債務について交渉しながら和解の道を探ることになります。ですが車のローンは短期で比較的金利も高めですから、これが毎月の負担になってしまうことは十分にありえます。少なくとも家計簿を付けた上で、返済額が住居費を除いた手取り額の1/3以内に収まっていないと、返済計画も難しくなるのではないでしょうか。多くのケースはこの車のローンはそのままで、他の債務は任意整理をしていくという選択になるそうです。副業をしてでも収入を増やさなければ、生活が成り立たないでしょう。
債務整理後にとりあえず動く車を書い直すという選択肢を考えよう
個人的には債務整理をするような状態に陥っているのですから車の維持費も大変なわけで、車の処分が妥当なのではないかと思うのです。地方で車がなければ生活ができないような地域に住んでいる方は車が無いと厳しいのかもしれませんがそれ以外の方は処分されて借金を早めに返した方が、 精神的にもすごく楽だと思いますよ。高級車を新車で購入されたばかりの場合などは勿体ないと思うかもしれませんが、中古車なら何の未練もないでしょう。今後の維持費を心配すると思いますね弁護士さんは。
借金を返済し終わったら、また貯金もできるのですから車を買える機会もあると思います。但し債務整理をするとローンも一定期間通らなくなりますので、分割での購入には支障が出るでしょう。一括購入出来る範囲の動けば良いというレベルの車を見つければ、通勤の足はとりあえず困らずに済みます。賃貸物件に住んでいるなら、いっそのこと勤務先近くへ転居してしまうくらいの思い切った選択が必要になるわけです。
どうしても車を処分したくない人は、任意整理しか債務整理方法が無いので、車のローンはそのままで他の債務を任意整理をしていくしかないですね。実際に任意整理を行った後で、どうしても返済できない状況下となり、車が引き上げられてしまった時に、最初から個人再生や自己破産しておけば良かったと後悔する可能性があります。優先順位を車にすることが、果たして債務整理をしなければならない状況下で妥当なのか、一度冷静な第三者目線で判断してみることが大切です。
弁護士さんによって判断は分かれるものと思われますので、まず無料相談で確認してみると良いでしょう。過去の例でも車のローンを残して債務整理後の支払いがまた滞ってしまったケースなどよくご存知だと思いますよ。
車の所有者がローン会社ではない場合
債権者はディーラーのローンで、車検証の所有者はディーラー、この場合は車は引き上げられることはない？という質問がありました。
これに関しては平成22年6月の最高裁判決で、車の所有者がローン会社ではない場合、ローン会社が車を引き上げて返済に充てるのは偏頗弁済にあたり違法であるとなっています。 ただし、もしローン会社が引き上げるのならば、その車を換金して返済された額を、債務者の清算価値として計上することとなっています。どういう意味かというと、ローン会社の債権は車の換金額分減るけれど、債務者の財産が車の換金分まるまる増えることになります。普通、個人再生の時の車の財産価値なんてほぼゼロに近いですが、実際に換金した額が計上されちゃうので、返済額があがる可能性がでてくるのです。
要は、ローン会社が所有者ではない場合、ローンが残ってるからと車を引き上げるのは違法ですが、引き上げるなら換金した額を債務者に知らせろよということです。だから、絶対に引き上げられないとは言えません。個人再生手続きを選んだ時に、再生計画案作成時に計上しなければならない資産額が増えるので、車の残価が高いほど返済額の圧縮率が減ってしまうという問題が発生します。
また、自己破産を行う際にもローン残高が大きいほど少額管財事件となりやすいので、いずれにしても車は売却換価されて債権者へ公平に分配されることになるでしょう。同居親族以外が所有している車に乗っている場合以外は、事実上車は換価されてしまうことに変わりありません。債務整理を徹底して行う際には、維持費が高く資産価値がある車ほど、一旦売却処分して別の車を買い直した方が生産的だと考えられます。
