債務整理を弁護士に頼むのは賢明な方法だと思います。まず弁護士に依頼するときは、あなたの借りている債務の全てを洗いざらい弁護士に話すことが大切です。もちろん、クレジット・消費者金融債務以外の銀行関係の債務なども届け出るようにしてください。
よく弁護士に依頼するとき、あまり業者数が多いと弁護士に断られるのではないかと思い業者のうちの一部だけを届け出て、他の業者は今まで通り自分で支払っていくという人がいますが、そのような場合往々にして、一度弁護士が債務整理を終えても、弁護士に届出しなかった業者の支払いが困難になって、再び弁護士に依頼するようなケースが多く見受けられます。更に債務整理方法が任意整理以外の個人再生や自己破産だった場合には、偏頗弁済を行ったとして債務の減額や破産免責が認められずに苦しむことになりかねません。
したがって、弁護士に任意整理を依頼するときは、全ての業者について同時に解決してもらうことが大切です。さらに分割弁済で返済していく場合には、毎月いくらずつ支払えるか、毎月の収入から生活費などの必要経費を差し引いた額をありのままに弁護士に報告する事が大切です。相談者の中には、毎月の支払額があまりに少ないと、弁護士が受任してくれないのではないかと考えて、ちゃんとした計算もせずに、毎月の返済可能な額をできるだけ多めに報告する人がいます。そのような場合、弁護士が相談者の話を信用して、せっかく業者と示談解決しても、毎月の支払いは困難になることは明かですから、債務整理はすぐに破綻し、振り出しに戻ることになってしまいます。
弁護士は守秘義務を負うので全てを話して最善の方法をアドバイスする存在
弁護士と初回面談を行った際には、弁護士から守秘義務の存在と互いの信頼関係に基づき受任する旨を伝えられます。弁護士は事実のみに向き合うわけではなく、依頼人の利益を最大限にするために動くので、必ずしも全てのことを誰に対しても公開するわけではありません。しかし、債権者や裁判所と対峙する際に依頼者から嘘をつかれていたり真実を隠されていると、法律上の弁護が難しくなってしまうことは確かです。このため、弁護士に依頼する際には、守秘義務だけでなく弁護士自体を信頼した上で委任しなければなりません。初回面談で必ずしも面談した弁護士と契約する義務は無く、複数の弁護士と面談した上で本当に信頼して任せても良いと考えられる弁護士と契約すると良いでしょう。委任契約は互いの信頼関係に基づき行われるので、必ずしも一方だけの影響で行われるものでは無いからです。
債務整理を行うために必要なこととして、任意整理・個人再生・自己破産のうちどの方法を採用すれば最も依頼人の利益に叶うかを熟慮します。弁護士としてどの方法で債務整理を行えば良いかという判断は、債務調査を行った上でなければ難しいですが、最も望ましい方法を教えてくれることは確かです。弁護士の判断を鈍らせてしまう原因として最も大きいのが、弁護士に対して真実を話さずに情報を隠してしまうことだと考えられます。本来ならば1度の個人再生手続きで済んでしまう債務整理が、情報を隠したために任意整理を行った結果として、和解案の履行が出来ずに再度の債務整理となれば余計な手間と時間が掛かってしまいます。
家族に債務整理を行う事実を話すことで生活再建に役立つ
また、相談者の中には、自分がクレジット・消費者金融から債務を負っていることを配偶者や家族の者に内緒にしてきたため、弁護士に依頼する際も、できるだけ配偶者や家族に内緒に解決してもらいたいと依頼する人がいるようですが、このようなことは決して好ましいことではありません。弁護士にクレジット・消費者金融から債務整理を依頼するのを契機に、思い切って配偶者や家族にクレジット・消費者金融から債務を負っていることを打ち明けるようにしてください。後からバレてしまうと予想以上に激しい拒否反応を示されてしまうことが少なくありません。最初から正直に話すことで、何らかの協力を得られる可能性が家族だからこそあると前向きに考えると良いでしょう。
消費者金融業者の取立てなどは、債務者本人だけでなく本人以外は債務返済に無関係なことを知らない配偶者や家族へ及ぶのが通常です。このため、弁護士が債務整理を行うにしても、どうしても配偶者や家族の協力が必要です。また、配偶者や家族に打ち明けることによって今後は周囲から監視されるようになり、二度と消費者金融などに手を出せなくなるので、債務者本人にとっても良いことと考えられます。もし仮に債務整理を行うことを理由に協議離婚を配偶者から申し立てられたとしても、それだけでは即離婚とはならないことは弁護士を入れていれば説明してもらえるでしょう。どうしても離婚しか考えられないという配偶者がいたならば、その時にはお金に対する考え方の本音を聞けたものと考えて、離婚した上で一人暮らしを始めて生活再建を急ぐという選択肢もあります。
家族に借金の事実を隠したまま債務整理を行ってもいつかはバレるリスクがある
家族に借金の事実を隠したまま債務整理を行うと、誰に隠していたかという状況次第では後からバレて大問題になりかねません。特に配偶者に対して多額の借金を隠したままいることは、滞納を一切行っていない場合を除いて難しいでしょう。なぜなら、債務整理に着手した時点で最終的には債務整理を行った事実が個人信用情報機関へ異動情報として登録されてしまうからです。クレジットカードを保有出来なくなったり、新たなカードローン借入が出来ないといった問題が発生するので、現金主義を昔から貫いていない限り隠し通すことは難しいでしょう。また、個人再生と自己破産手続きを行う際には、申し立て準備書類の中に配偶者の収入証明書や配偶者が乗っている車の売却査定まで必要になります。必要書類の準備段階で配偶者に気づかれる可能性が高いことから、配偶者に対しては最初に話してしまうことが安全です。
一方、両親や兄弟に対しては聞かれない限りは積極的に話さなくても支障はありません。なぜなら、2世帯住宅を新たに建設するといった事情が無い限りは、与信力が無いことはさほど問題にならないからです。コツコツ現金主義で貯蓄をするタイプだという印象を持たせておけば、クレジットカードに依存しないタイプとして不思議に思われることは少ないでしょう。仮に配偶者経由で債務整理の事実が露見したとしても、両親や兄弟に対してはさほど影響が無いために関心が薄いままで済まされます。例外的に夫婦間に子供がいない場合には、相続の問題が影響するので債務整理によりしっかり借金問題を解決した後は、遺言書作成を行い安心してもらえるよう手配しておくことが望ましいです。