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住宅と車のローンだけ任意整理できるの?任意整理を選ぶポイント


【質問】住宅ローンと車のローンの支払いをしています。これらのローンについては引き続き支払っていきたいのですが、消費者金融業者の借金については、任意整理をしたいと思っています。一部の債権者だけと任意整理することは可能でしょうか?

【回答】一部の債権者だけ任意整理をすることは可能です。裁判所が関与する自己破産手続きにおいては、債権者平等の原則が働きますので不可能ですが、任意整理は裁判所が関与しない私的な整理となりますので、債権者平等原則の適用はありません。

現在、住宅ローンとか車のローンなどの支払いをしていて、そのローン以外に消費者金融業者やクレジット会社から借入れがある場合があります。この場合に、住宅ローンとか車のローンの金利は、利息制限法を超えることは普通にありえません。 したがって、ローンの残額の減額も考えられないことから、ローン返済回数の増大にも応じてくれないでしょう。したがって、住宅ローンや車のローンの返済はそのまま継続し、消費者金融業者とだけ任意整理をするということはよくあるケースだと思います。

公的整理と私的整理の違いを知ろう

債務整理の中でも最も多くの人が最初に検討する任意整理は、言葉の通り債権者と任意で交渉して新たな和解案を妥結することを目的としています。このため、他の債務整理方法とは異なり公的整理ではなくあくまでも私的整理に過ぎません。実際に、裁判所を介した決定を必要とする個人再生や自己破産とは異なり、債権者と本人の間でも任意整理を行うことは理論的に可能です。しかし、法律知識に長けた債権者と素人の本人が和解に向けて話し合いをしても、債権者にとって都合が良い形で不利な条件を押し付けられかねません。そこで、弁護士に依頼して手数料が掛かっても任意整理を行うと良いわけです。

任意整理を行う際に弁護士に依頼する理由として、法律知識が豊富というだけでなく交渉力に長けた人材が多いことが挙げられます。任意整理はあくまでも和解に向けた交渉を行うことが前提ですから、そもそも一方が上から目線で接しては話し合いになりません。また、任意整理は今までの契約内容を変更してもらうことになるので、本来の契約通りに返済をして欲しい債権者にとっては迷惑な話です。

それでも債権者が応じてくれるケースが多いのは、任意整理の先に待つ公的な債務整理を警戒しているからです。任意整理は交渉力さえあれば良いので金額が140万円未満ならば司法書士でも代理人として交渉出来ます。しかし、任意整理はあくまでも私的な交渉に過ぎないので、和解に至らなかった場合には個人再生や自己破産といった公的な債務整理に着手しなければなりません。個人再生や自己破産は地方裁判所に対して行うので、司法書士は書類作成業務とアドバイスのみ参加出来ることになり、あくまでも本人申し立てとなるわけです。なるべくお任せで済ませたい場合には、任意整理がまとまらないことを考えて弁護士に依頼すると良いです。

連帯保証人有りの債務は任意整理が適している

債務整理を行う際には、公的な債務整理として知られる個人再生と自己破産には債権者平等の原則が適用されます。任意整理を行うことができしている債務は、連帯保証人有りの借入が該当します。なぜなら、個人再生や自己破産を行うと、本人は返済額を減額出来るものの減額した債務額がそっくり連帯保証人に被されることになるからです。連帯保証人も同時に個人再生や自己破産を行う場合以外は、迷惑を掛けることになるので注意しなければなりません。

任意整理ならば、仮に債権者が5社いたとしても連帯保証人を付けていない無担保ローンの3社とのみ任意整理を行うことが出来ます。裁判所を介していない任意整理は、あくまでも債権者との任意の交渉により互いの利害関係が調整できた結果として和解が成立するので、当事者間で納得すれば裁判所が預かり知らない範囲です。住宅ローンと車のローンは、金利設定が低く担保があるために任意整理に応じてもらえる可能性がほとんど無く、敢えて任意整理を行うメリットが無いだけでなくリスクしかありません。

任意整理は目先の返済よりも完済を目指す

目先の債務額が減らないならば、弁護士に手数料を払って任意整理の依頼しても意味がないと考えがちです。しかし、目先の返済よりも完済を目指した時には、任意整理により弁護士が必死の思いで交渉により勝ち取った将来利息・経過利息・遅延損害金の減額や免除は、返済総額を計算するといかに大きいか分かります。将来利息が無いということは、元金のみを分割返済すれば良いので毎月払う返済額がそのまま元金返済に充当されるわけです。利息制限法で定められた上限金利ギリギリの消費者金融から借入をしていると、毎月返済した金額のうち元金返済額が半分に満たないことを経験しているでしょう。任意整理は、金利が高い無担保ローンについてのみ行うだけでも、返済総額を大幅に減額出来るわけです。

任意整理の段階で覚悟を決めよう

任意整理を行う段階で弁護士に依頼すると、任意整理交渉が上手くまとまらずに公的な債務整理に踏み切らなければならない可能性を指摘されます。住宅ローンのみ払い続けて車のローンは諦めても良ければ個人再生という選択肢があるので、住宅ローンと車のローンを両方払い続けたいと考えて任意整理に着手する段階で、和解に至らなかった時の覚悟を決めておく必要があります。住宅と車のローンを残したまま、他の債務だけ任意整理交渉を行うことは出来ますが、和解に至らなかった場合には車のローンを諦めなければならない可能性があると覚悟を決めておきましょう。弁護士としても債権者に対して全力で交渉するものの、成功するとは限らないために最初に任意整理の相談に出向くと、和解不成立時についての話も行います。



 

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