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住宅ローンの任意整理は新しい考え方なのか?個人再生と任意整理の違いを理解しよう


住宅ローンで多重債務

住宅ローンの債務者は自らの収入の中から住宅ローンを返済していくことになるが、不況・リストラに よって債権者の収入が減少したり、ゆとり返済の期間が満了して返済額が増加したり事情がかわることによって住宅ローンの約定返済を継続することが困難になることも少なくありません。 住宅ローンの返済が滞った場合には金融機関は住宅に設定した抵当権を実行し住宅の売却代金から住宅ローンの返済を受けることになります。 そうなると債務者はせっかく手に入れた住宅を手放さなくてはなりませんよね。

ですから何とか住宅を確保しようとして住宅ローンの返済を無理に行い、足りなくなった生活費をサラ金やカード会社からの借り入れで補填することにより多重債務に陥ってしまう というケースが多くなるそうです。

個人再生を行う際に住宅ローン特別条項を適用する方法

住宅ローンを抱えている多重債務者の中には個人再生(住宅資金貸付債権に関する特則)を強く希望する人も少なくありません。 住宅資金貸付債権に関する特則は要件が厳格に定められている上、要件を満たしてこの特則を利用できたとしても住宅ローンの利息・損害金が減免されることはなく、 この特則を利用した場合には途中での方針転換は許されないという法律上の制約もあります。

住宅ローンをどのように返済して行くのか弁護士に相談すると、住宅ローンと他の貸金業者との債務状況を総合的に判断した上でどのような方法が良いか検討する流れです。なぜなら、住宅ローンは一般的なカードローンとは異なり、20年から35年という人生の中でも長い時間をかけて返済を続けるために極めて低金利に抑えられているからです。低金利にも関わらず返済できないならば、そもそも住宅ローンを無くして担保となっている家を売却してはどうかという選択になりかねません。個人再生を行うためには、住宅ローン以外の債務額が数百万円と多くなければそもそも意味が無いわけです。

なぜなら、個人再生手続きにおいて住宅ローン特別条項を適用したとしても、住宅ローンそのものの返済は継続して再スケジュールを行うことになるからです。例えば、残りの住宅ローン返済年数が20年だった場合には、25年に延長した上で毎月の返済額を引き下げるという方法を取ることになります。個人再生手続きにより圧縮出来る範囲は、住宅ローンを除く一般の貸金業者からの債務に限定した上で最大1/5まで圧縮を掛けて3年間で返済します。

住宅ローンそのものを任意整理する

住宅ローン以外の債務額が少ない状況ならば、住宅ローン自体が負担となっている状況を改善するために、住宅ローン自体を任意整理出来ないかという考え方を行ってみてはどうでしょうか。 住宅ローン自体について任意整理をする方法を考えてみると、個人再生手続きを住宅ローン特別条項付きで行う時に同じことを行っていると気がつくでしょう。債務者側が住宅ローンの債権者である金融機関等と話し合い住宅ローンの返済方法を緩和・変更して貰う方法です。 最近では住宅金融公庫でも不況やリストラで収入が減少した場合には返済方法の変更について相談に応じています。

例えば以下のような措置です。

①返済期間を延長することにより返済額を減額
②既発生の延滞分を将来にわたって分割支払いすることにより解消
③一定期間にわたって返済額を減額
④ボーナス返済を変更
⑤これらを組み合わせる

まず相談者側で金融機関や住宅金融公庫の窓口に相談してみる必要がありますが、住宅ローンの返済方法の変更に関しては一定の審査基準があるので金融機関がその要件を満たさないとして相談者の要望が拒否されることも少なくありません。

また既に相当期間にわたって住宅ローンの延滞が発生している場合には金融機関としても期限の利益喪失の内容証明を送付して一括返済の要求をしてくる のが通常です。このような場合には金融機関が抵当権の実行による住宅ローンの一括回収を望んでいれば金融機関との間で返済方法の緩和や変更の合意は 成立することはありませんので結局債務者としては競売手続きにより住宅を手放さざるを得ないことになる。 実際に期限の利益が喪失した後に弁護士が受任しても任意整理の方法だけでは抵当権の実行を思い止まるケースは少ないようです。

任意整理を住宅ローンの債務整理方法として時間稼ぎの手段として利用する

住宅ローンの延滞が進んでいる状況下では、弁護士が受任しても金融機関との間で任意整理交渉がまとまらない可能性があります。早期に弁護士へ相談していれば、住宅ローンの再スケジュールにより毎月の返済額を引き下げて、何とか持ち家を維持する方法がありました。しかし、タイミングを見誤った結果として弁護士が受任しても金融機関の意思が固いと判断した際には、任意整理を弁護士に委任している間に競売ではなく任意売却出来ないか弁護士と不動産会社に相談しながら作戦を練る方法があります。

金融機関が競売手続きに即踏み切る迄の間を任意整理交渉により弁護士が時間を稼いでくれれば、弁護士経由で紹介してもらった不動産会社に買い手を探してもらうという手段が可能です。なぜなら、金融機関が競売を行ったとしても、住宅ローン残債額が大きければ完済に至らずに、住宅を失うだけでなく借金だけが残ってしまいかねません。任意売却ならば競売よりも高値で売れる理由として、競売は購入者が一括払いしなければなりませんが、任意売却ならば購入者は新たに住宅ローンを組めるからです。任意売却相手が見つかった時点で金融機関に任意売却許可を弁護士経由で求めれば、競売よりも回収率が高くなるので金融機関側が納得してくれるでしょう。弁護士にとっては、報酬さえ手に入れば良いので、任意売却額に応じて報酬を積み増せば引き受けてくれる人もいるはずです。

住宅ローンを対象外にした任意整理を行う

住宅ローンを抱えている多重債務者の中には高利のサラ金やカード会社からの借り入れさえ任意整理してくれたら住宅ローンは十分に支払えると申し出る人は多いです。 ですが早期に住宅を処分した方が究極的には相談者にとって有利であるケースも多い。 従って住宅ローンを対象外とする任意整理の採否を判断する際には債務者の収入から住宅ローンと必要生活費を控除したとしても本当に債務整理の 弁済資源が捻出できるかという点については十分チェックを行う必要があります。

任意整理により減額可能な部分は、将来利息・遅延損害金・経過利息のうち依頼した弁護士が債権者との間で合意してカット出来た部分のみとなります。総返済額を減らせるものの、個人再生手続きとは異なり元金の圧縮は見込めないので、受任した弁護士にとって本当に任意整理を住宅ローン以外に行っただけで完済に至る見込みがあるのか慎重な見極めが必要です。

なぜなら、実際に和解が成立したとしても依頼者が後日やはり返済不能に陥ったとして、今度は個人再生依頼を行ってくる可能性があるからです。同じ債権者からは弁護士が激しく責められることになるので、住宅ローンを対象外にした任意整理を行うかどうかは、弁護士の経験次第となるでしょう。実際に任意整理による和解成立後に再度個人再生手続きを住宅ローン特別条項付きで行うと、小規模個人再生による再生計画案が多数の債権者により否決されるリスクが高くなります。給与所得者等再生手続きでも可能ですが、債務額の圧縮率が下がるので敬遠する人が少なくありません。



 

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