名義貸しとは?
名義貸しとは、依頼人の代わりにお金を借りたり商品を購入したりするときに自分の名義で契約することを意味します。本人は名義を貸したつもりであっても、事情を知らない取引相手から見ればあくまでも契約対象は名義貸しをした人です。法律行為を行えるのは当事者同士であって、第三者が代わりに契約することは刑法第246条による詐欺行為に他なりません。また、名義貸し自体が犯罪行為となっていて、名義貸しをした者は6月以下の懲役又は100万円以下の罰金に科されることになっています。
名義貸しそのものが犯罪行為であって、更に相手が貸金業者や事情を知らない一般の第三者の場合には、詐欺罪の適用も受けてしまうことを考えればいかに危険なことか分かるでしょう。名義貸しの依頼人と本人の間に取り交わされた事情は、取引相手にとっては無関係で預かり知らないことですから、あくまでも契約書に基づいた法的措置が取られてしまいます。名義貸しを主張した時点で犯罪行為を自白していることになるので、騙されたと思った時には後の祭りとなりやすいわけです。
身内からの名義貸しは金銭消費貸借契約に関わることは避けよう
日常生活を送る上で身内からの名義貸しを頼まれることは、意外に多いものです。どうしても断りにくい場合であれば、刑法の条文を見せた上で犯罪行為だと納得してもらう方法が考えられます。
しかし、過去の商慣習から名義貸しが商取引で行われている事態は、残念ながら日本国内の現代社会でも不動産業界で残っている現状です。実際には常駐勤務していないにも関わらず、宅地建物取引士として登録しているケースは時折摘発されています。名義貸しそのものが違法行為だと説明しても強要してくる身内とは、親戚づきあいを避けて疎遠にしておくことが自らを守る手段となるでしょう。とりわけ金銭消費貸借契約を行う際の名義貸しは、即座に詐欺行為として犯罪になる点に注意しなければなりません。
名義貸しを常態化させていると詐欺に遭いやすい
名義貸しを行うこと自体が刑法犯罪だと知っておかなければ、名義貸しを常態化させてしまい自らが詐欺被害に遭うリスクを高めてしまっています。金融事故を起こしたために本人名義でのクレジットカードを作れないために名義貸しを頼まれた時には、カード会社に対して詐欺行為とならないか確認しなければなりません。
本人名義の家族カードとして発行する場合には、名義貸しには該当しないものの支払いは使った人ではなく本会員に責任があります。また、消費者金融からの借入はたとえ配偶者であっても本人以外が行えない日常家事債務以外の法律行為となっているので、名義貸しに巻き込まれた時点で警察へ詐欺被害届けを出さなければ支払いが自分に回ってきます。
名義貸しの相手に対して求償権を行使する
名義貸しに巻き込まれてしまった場合には、速やかに取引相手に事情を説明した上で一括返済を行うなどの清算処理を行う必要があります。金融事故を起こした履歴が個人信用情報機関へ異動情報として登録されてしまうと、手持ちの他のクレジットカードが更新されなかったり利用停止処分となったりする可能性を減らすためです。
その上で、残債が発生している場合には即座に一括返済を行うことを相手に伝えて了承してもらわなければなりません。なぜなら、名義貸し自体が犯罪行為となるので、名義貸しがどのように行われたか調べた上で刑事事件として被害届を出すか名義貸しを行った人に対して求償権を行使する方法しか無いからです。取引相手は善意の第三者という扱いとなるので、あくまでも最初から取引相手は名義貸しに利用された本人となります。