サービサーとは?
サービサーとは、金融機関や各種業者から債権回収の委託を受けるか債権そのものを買い取り、特定金銭債権の管理と回収を行っている厳しい審査を経た上で法務大臣による許可を得た民間の債権管理回収専門業者という位置づけです。従来、弁護士法により債権回収は、弁護士または弁護士法人のみが可能なこととして委託を受けて債権回収業務を行うことは禁止されていました。
しかし、弁護士数が不足していた時期に不良債権の処理を進めるために債権管理回収業に関する特別措置法が制定されたことで、国に寄る厳しい基準をクリアした資本金5億円以上の債権回収専門会社を弁護士法の例外として認めることになったわけです。サービサーが取扱可能な債権は、特定金銭債権に限定されるので債権管理回収業に関する特別措置法に定められた金銭債権に限定されます。具体的には、金融機関等が持つ金銭債権・クレジット債権・保証契約に基づく債権といった金銭債権の中でもごく1部に限定されています。
日本国内に正規サービサーは僅か77社
議員立法により成立した債権管理回収業に関する特別措置法は、当時の弁護士不足と銀行による不良債権問題を解決するために弁護士法の例外として作られた法律です。正規サービサーとして認められる条件が厳しく、法案成立当初100社程度あったサービサーは、事業継続困難な合併により77社程度まで減少しています。
弁護士数が増えたことにより、弁護士自らが債権回収業務を行うようになった影響もあり、業務内容が限定されていて一部の弁護士のような強引な取り立てが出来ないために今後増える見込みは少ないです。無許可で債権回収業務を行うと、懲役3年以下または罰金300万円以下という重い罰則が適用されるので、慎重に業務を行うサービサーが大半を占めています。
サービサーは法律に基づき適切な回収を行う
サービサーが行える債権回収は、法務省の債権管理回収業の営業を許可した株式会社一覧(http://www.moj.go.jp/housei/servicer/kanbou_housei_chousa15.html)に掲載されている77社のみとなっています。許可番号に多数抜けが発生していることからも分かるように、既に事業停止している債権回収業者も多数存在しているだけでなく、法務省の監査に引っかかり廃業に追い込まれている会社も少なくありません。
あくまでも債権回収業者は、弁護士が不足していた時期に不良債権問題を早期解決するために設けられた特別措置ですから、法的処理を進めて不良債権の数が減れば自然淘汰が起きても不思議ではありません。訪問及び電話・郵便による督促業務が行われているものの、貸金業者に課されているものと同様の厳しい条件下で債権回収を行い、法務省の監視が厳しいので返済方法に関する相談にも乗ってくれる債権回収業者が多いです。
常に国からの監視を受けているから強引な取り立ては行われない
サービサーの数が当初よりも減少している理由として、不良債権問題がある程度片付いてきただけでなく、法曹制度改革に伴い弁護士数が急増したために債権回収を行う弁護士数が増えていることが挙げられます。債権回収をサービサーに任せる銀行やノンバンクは、サービサーに対して債権を譲渡することにより損金扱いとして節税しつつ不良債権処理が出来ます。常に国からの監視を受けているサービサーは、弁護士とは異なり違法スレスレな回収行為を行うことが無く、個別の交渉にも柔軟に応じる状況です。サービサーが買い取る債権は、額面に対して極めて低額で行うために、額面通りの回収が出来なくても損しません。