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ギャンブルが原因の免責はなぜ認められないの?債権者と債務者の関係


パチンコ・競馬などでもギャンブルで多重債務に陥った方は多いと思います。徳光和夫さんは競艇で5億負けていると言い、蛭子さんも1億ですよね。彼らはお金持ちですから債務者になることはないのですが、一般人は借金で負けを取り戻そうとしてしまいますからドロ沼に嵌るのでしょう。では、なぜ自己破産を行ってもパチンコ・競馬を始めとするギャンブルによる借金は、破産免責決定を受けられないことになるのでしょうか。ポイントとなるのは、債権者にとって自己破産は最も被害が大きいために適用は限定的に行わなければならない点です。

破産法で定められた免責不許可事由を知ろう

法律上は射幸行為や浪費行為による借金というのは免責不許可事由にあたるというのが原則となっています。 そのため、ギャンブルによってたくさん借金ができたという場合には、基本的には破産はできたとしてもその後の借金を返さなくて良い「免責」決定が出ないということになりますが、 ギャンブルだからといってその借金を一生は払い続けることは酷でありますし、生活の再建に支障をきたすこともあるのです。

一方で、全ての借金に対して破産免責決定を出してしまうと、貸金業者や金融業者にとっては怖くて貸付が出来なくなります。貸し渋りの原因となってしまっては、景気の悪化だけでなく余程の与信力を持たない限りお金を借りられなくなってしまいかねません。そこで、予め破産法において免責不許可事由に該当するケースを列挙しておくことにより、債務整理の方法として自己破産を採用するか判断する時の1つの基準として一考してもらうわけです。破産法第252条第1項に定められた免責不許可事由に該当する行為により発生させた債務については、債務者を保護して債権者に損害を被らせる正当な理由が無いことから、原則としては破産免責決定を出さないことになっています。ギャンブルや浪費といった行為については、第4項に「浪費又は賭博その他の射幸行為をしたことによって著しく財産を減少させ,又は過大な債務を負担したこと」という形で明記されています。

では、免責不許可事由に該当する行為を行ってしまった場合には、必ず免責決定が出ないことになるのでしょうか。破産法が定められた時点では、本来法人の破産申請を行うために作られた規定と個人が再出発のために破産手続きを行う規定の2つが混在していました。自己破産が広く行われるようになった背景として、グレーゾーン金利や生活苦に伴い自殺者が多数出てしまった事態があります。再出発を行うために必要な措置として、一旦債務を全て整理した上で清算し、新たな生活を送るために必要な措置として免責決定が個人に対して行われるわけです。

免責不許可事由に該当しても裁量免責が認められる?

破産法で定められた免責不許可事由に該当しても、再出発を支援するために法律では「裁量免責」を認めています。これは裁判所の裁量によって免責となることがありうるという制度です。 それではギャンブルの場合、どういったケースでこの裁量免責が認められるのでしょうか? 通常は破産管財事件、破産管財人の調査によって生活がキチンと更正できるかどうかを確認した上で裁量免責の判断がなされることになります。 破産管財人を選任するには約20万円ほど裁判所に予納する必要があります。自己破産には破産宣告と同時に手続きを終了させる破産同時廃止がありますが、免責不許可事由に該当する場合には破産管財事件とすることで裁判所の裁量により免責不許可事由に該当しても免責決定を出すことが出来ます。債権者に対して債権の行使を事実上放棄させることに繋がるので、破産管財人を付けてしっかり生活再建状況を把握した上で裁判所による免責決定が行われることなり、このプロセスを経た上で裁量免責が認められるという流れになります。

破産管財事件に該当する自己破産は、破産宣告から破産免責決定が出るまでに少なくとも半年以上掛かるので、中には1年経過して初めて免責決定が出ることも少なくありません。目ぼしい資産が無い場合には、本来ならば破産同時廃止が行われるはずですが、免責不許可事由に該当する理由による債権が含まれる時に限り破産管財人が毎月家計状況のチェックを行い、改善が見られた場合のみ破産免責決定が出ます。自己破産手続きは、地方裁判所に対して行う必要があるので、本人申し立てを行う必要がある司法書士へ依頼すると破産管財人として別の弁護士が就くことになります。弁護士に対して最初から自己破産手続きを依頼していれば、理由が無い限り同じ弁護士が破産管財人として裁判所から指定されることになるので、じっくり生活を立て直しながら以前の状況を反省する機会を得られるわけです。

浪費やギャンブルに伴う借金が大半を占めていたら自己破産は厳しい

借金の額が1000万円など高額の場合など、裁判所が免責の判断を必ず出すかというと絶対ではありません。 このような高額でギャンブルが絡んでいる場合で自己破産が微妙な場合は、個人再生という方法で債務整理することをオススメします。 個人再生は五分の一か100万円の高い方に借金が減額されますしマイホームも保持できます。この個人再生の場合は借金がギャンブルでできたものかどうかは影響がありません。

自己破産を行う際には、浪費やギャンブルに伴う借金が一部の場合に限り裁判官による裁量免責の機会が与えられると考えて良いです。免責不許可事由に該当する借金額が自らの年収を超えている場合や極端に高額な場合については、裁量免責を目指しても認められない可能性が高いです。債務整理の方法として自己破産を選べないケースがあることを事前に知っておく必要があります。個人再生を選択出来るかどうかの分かれ道は、浪費やギャンブルに伴う借金額が全体の半数未満であることです。過半数を超えてしまっているる場合には、個人再生であっても難しい場合が出てくるので、全ての債務整理方法に対処可能な弁護士とじっくり相談してから方針を決める必要があります。

ギャンブルで出来た借金でも解決方法はある

ギャンブルでできた借金でもこのように解決方法の選択肢はありますので、諦めずに弁護士に相談して解決に向けてがんばってください。債務整理の方法として最も本人にとって有利な方法は、借金返済義務を無くして破産免責決定を出せる自己破産です。しかし、債権者にとっては事実上債務放棄をしなければならない事態に陥るので、自己破産申し立てを全て認めてしまうと融資制度自体が成り立たなくなりかねません。バランス調整を行う意味合いからも、やむを得ない事情により人生を再出発するために自己破産による免責決定が出されるという点を認識しておくことが大切です。



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