債務整理至急相談の画像

自営業の債務整理は複雑過ぎて弁護士との綿密な面談が必要


個人事業主・自営業など事業や会社を経営していく上で借金をするケースは多いと思います。経営がうまくいっている時はいいのですが、一度順調だった事業の展開が、逆回りを始めることもあります。近年は銀行の内部事情により、ある日突然手のひら返しを行って黒字倒産をしてしまうことすら珍しくありません。

業績が傾くと借り入れも増やさなければなりませんので、資金繰りに奔走することとなり、益々金銭的に生活が苦しくなっていくのです。 さらに支払いが滞ることになると、結果的に借入先に迷惑をかけてしまいがちです。そのような背景から自営業の債務整理は弁護士への相談が遅れてしまったり、自己破産か任意整理かで難しい判断を強いられる場合が多いのです。

■自営業による債務整理

1.借入金額が大きい場合は任意整理を行うことは難しい場合があります。借入金額と返済原資、資産等を考慮して債務整理の方法を弁護士と相談しましょう。

2.借り入れの際に保証人を付けている場合、債権者は保証人に請求を行いますので、保証人が一括返済できない場合は保証人と共に債務整理をおこなう方が良いでしょう。

3.自営業の方が債務整理や自己破産を行なっても廃業する必要はありませんが、会社組織での営業を行なっていた場合には、再度取締役として選任し直す必要があります。

4.債務整理を行うと個人信用情報機関に金融事故情報登録としてブラックリストに載りますので、一定期間借入れができなくなる恐れがあります。

5.資格制限のあるお仕事を自営でされている場合、例えば保険・証券の外交員、警備員、司法書士等の士業の方の場合、免責決定までの間ですが仕事が制限されます。

自営業は基本的に毎月一定の収入がなく波がありますので、任意整理などの支払いを考慮した場合、不安定な収入という面で必ず毎月この金額という設定自体が無理なケースが多くなりがちです。ですから自己破産を選択しなければならないケースが多いのですが、再起を目指すと考えた場合は、自己破産で信用が無くなっているので資金調達に苦労します。このため必然的に一旦廃業することになるケースが多いです。共同経営者や出資者を事前に募ることが出来れば、事業継続の見込みが出てくるでしょう。

代表者個人の破産が必要

小規模法人の自己破産は会社と代表者個人の破産が必要で、同時に進行しなければなりません。なぜなら、法人の代表者が会社債務の連帯保証人となっていることが多いので、上場企業やある程度の規模にならなければ、代表取締役が交代することは少ないからです。 法人・自営業者の破産を申し立てた場合ですが、裁判所が破産管財人を選任し、事業の内容についての調査を行います。 そして資産価値のあるものが一部でも残っていれば、換価して債権者に配当を行うことになります。 例えばお店の土地が個人の財産になっている場合は、そのお店を処分することにより債権者に配当する流れになります。店舗が賃貸の場合では処分ができません。

このような手続きを進めていくため、事業主の自己破産は個人より費用も時間もかかってしまうのが通常で、弁護士費用の他に裁判所へ納める予納金として別途破産管財人費用(約20万円)の準備が必要です。個人事業主レベルの自営業ならば、自己破産手続きによりある程度小規模管財事件として速やかな破産処理が可能ですが、5,000万円以上の自己破産については、通常の破産管財事件として手順を簡略化した破産処理が出来ません。

同時廃止扱いになれば管財人費用はかからない

【メモ】自営業者でも自己破産の同時廃止扱いになれば、管財人費用(約20万円)はかかりません。取引先の数や事業規模、また資産状況によって同時廃止になるかどうかは判断されるようです。

また個人再生のうち、小規模個人再生は、自営業者(個人事業主)も利用することができます。 この制度を利用すれば、廃業することなく営業を継続することができます。そうすると、現在の自宅兼店舗を守ることができるのです。 居住スペースが半分以上あるなら個人再生の住宅資金特別条項を利用することができます。

費用としては個人再生委員の選任のための費用として30万円程度を裁判所に納めます、また弁護士費用も準備しておいて頂く必要があります。 個人再生に関しては弁護士に頼まずに個人で処理をすることは、特に住宅資金特別条項を使う場合には銀行とのリスケジュール交渉がありますので困難です。また、個人再生を本人申し立てする際には、再生計画案を立案するために必要な債務調査が不十分となりやすいので、債権者決議により消極的賛成を得にくい傾向があります。

最適な債務整理方法には正解が1つとは限らない

自営業者が債務整理を行う際には、検討段階から正確な債務状況と事業展開見込みが必要です。給与所得者とは異なり、売掛金が発生することが原因で会計年度ベースでの収支しか分かりません。運転資金が枯渇して赤字状態が続く前であっても、実質的な黒字倒産する可能性があるので、事業継続と清算のどちらを選べば良いのか、ケースバイケースとなりやすいです。

倒産状態にも関わらずに多額の負債を抱えて、1人で悩んでいる状態であれば早めに弁護士さんに相談することをお勧めします。 特に取引先が多かったり、資産がある自営業者は交通整理をして窓口を一本化する意味でも弁護士さんに頼みましょう。 そして再起後の生活や事業の事を考えながら、最良の方法を選んでください。 いつ返せるか分からない借金を、返済できない状況のまま放置するよりは、早めに白旗を掲げて自己破産や個人再生などを利用し、早く再起を図る方が賢い選択だと思います。



■関連エントリー
 

© 2014-2019 債務整理の至急相談 All Rights Reserved.